「計算が苦手だな…」「計算が得意になりたい!」
そんな風に感じたことはありませんか? 実は、計算力は誰でも頑張れるスキルなんです。学年が進むごとに計算の重要性はどんどん増していきます。
問題を正確に解き、効率的に考える力も必要です。
現実の生活や将来の仕事でも考えた計算力は、学校でのテストや受験だけでなく、あなたの未来を支える大切な力です。
ここでは、計算を行う上でいくつかのテクニックを紹介していきます。
日頃の算数・数学の勉強にはもちろん、生活における計算力をあげる役に立てればと思います
目次
はじめに
そもそも「計算力」とは何を指すのでしょうか?
それは、「早く・正確に」計算する力ではないでしょうか。
では「早く・正確に」計算するためにはどんなことが必要でしょうか?
私が思うに、「計算のルールを知る」ことが前提としてありますが、計算を「工夫」することが必要だと思います。
「計算力がない」と感じる人の共通として、意外にも「真面目過ぎる」人が挙げられます。「真面目過ぎる」人は与えられた計算をただ黙々と計算していきます。もちろん、悪いとは言いません。ただ、計算力が上がらない一因ではあります。
では逆に計算が得意だと感じる人の共通は「面倒くさがり」な人です。
「えっ?!」と思うかもしれませんが、「面倒くさがり」な人は計算が早く正確な人が多い傾向にあります。
例えば、「1から100までの数字を足してください」という問題が出されます。
皆さんは、どうしますか?
真面目過ぎる人は、1+2+3+4+・・・+99+100 を地道に計算していきます。これだと、計算ミスも出てきそうですね…
面倒くさがりな人はその計算が面倒くさいんです。やりたくないんです。
だから違う方法ないかなって考えになり、計算を「工夫」していくのです。この「工夫」を考えることが計算力にも繋がり、数学力にもつながってきます。
(ちなみにこの場合は2個セット作ります。1+100、2+99,3+98,4+97…みたいにセットを作ります。このとき、すべて101になりますので、101が50セットできます。なので、合計は101×50=5050となります。
これは高校数学の数列の和の問題として公式があります。)
1.小数の計算
計算する際に少数で計算するより分数に変形した方が簡単な時があります。なので次の小数と分数の関係は知っておきましょう。
0.5=$\frac{1}{2}$ 0.25=$\frac{1}{4}$ 0.125=$\frac{1}{8}$ 0.75=$\frac{3}{4}$
これを知っておくと
28×0.75=28×$\frac{3}{4}$=7×3=21
と考えることができます。他にも
12÷1.5=12÷$\frac{3}{2}$=12×$\frac{2}{3}$=4×2=8
となります。これらを小数のまま筆算して計算するのはやはり「面倒くさい」です。
2.近似して計算する
近似というのは「だいたい」の数字に変形することです。
998はだいたい1000ですし、31はだいたい30です。この性質を利用して計算します。
912-59
=(900+12)-(60-1)
=900+12-60+1
=900-60+12+1
=840+13
=853
こんな感じで変形すると繰り下がりの計算も少なく、ミスも減ります。もう一問
1035-467
=(1000+35)-467
=(999+1+35)-467
=999-467+1+35
=532+36
=568
1035をだいたい1000にすることは同じですが、引き算をするときに1000を999+1に分解すると、繰り下がりの計算が発生しません。
引き算の場合100-37=99+1-37にしたり、
10000-1876=9999+1-1876にしたりすると計算は楽になります。
3.因数に分解して計算
4.2桁×2桁の筆算のやり方(別ver)
5.2乗の計算(一の位が5のとき)
おまけ ルートの計算
数学を学んでいくとルート(√)の計算が出てきます。この計算にも知っておくと便利な方法があるので、是非使ってみてください。
特に高校生で共通テストなどスピードを求められるテストには非常に有効です。
ルートの掛け算
$\sqrt{3}$ × $\sqrt{6}$
この問題をどのように解きますか?
$\sqrt{3}$ × $\sqrt{6}$
=$\sqrt{3×6}$
=$\sqrt{18}$
=$\sqrt{2×9}$
=$\sqrt{2×3^2}$
=$3\sqrt{2}$
こんな感じでしょうか?これぐらいなら問題ないですが次はどうでしょう?
$\sqrt{42}$ × $\sqrt{14}$
ここまで読んでくれている人は掛け算をするのを少しためらいますよね?
そんなときは「3.因数に分解して計算」しましょう。
$\sqrt{42}$ × $\sqrt{14}$
=$\sqrt{6×7}$ × $\sqrt{2×7}$
=$\sqrt{2×3×7}$ × $\sqrt{2×7}$
=$\sqrt{2×3×7×2×7}$
=$\sqrt{2^2×3×7^2}$
=$2×7×\sqrt{3}$
=$14\sqrt{3}$
筆算をすることなく答えを導くことができます。計算量も素因数分解だけなので、ミスも起こりにくくスピードも速いです。
ルートの割り算
次は割り算を見ていきましょう。ここでは分母にルートが含まれている場合を見ていきます。
$\sqrt{6}$ ÷ $\sqrt{3}$
=$\frac{\sqrt{6}}{\sqrt{3}}$
=$\frac{\sqrt{6}×\sqrt{3}}{\sqrt{3}×\sqrt{3}}$
=$\frac{\sqrt{18}}{3}$
=$\frac{3\sqrt{2}}{3}$
=$\sqrt{2}$
分母にルートがあるときは「有利化」ということが一般的ですよね。
当然、間違っていません。でも有利化することは面倒くさいですよね。
そこで割り算についても「3.因数に分解して計算」していきましょう。
$\sqrt{6}$ ÷ $\sqrt{3}$
=$\frac{\sqrt{6}}{\sqrt{3}}$
=$\frac{\sqrt{2×3}}{\sqrt{3}}$
=$\frac{\sqrt{2}×\sqrt{3}}{\sqrt{3}}$
=$\sqrt{2}$
ルートの計算にも因数の考え方は使えます。では次の場合はどうでしょう?
$\frac{6}{\sqrt{3}}$
これも同様に考えていきますが、ちょっとテクニックが必要です。
=$\frac{2×3}{\sqrt{3}}$
=$\frac{2×\sqrt{3}×\sqrt{3}}{\sqrt{3}}$
=$2\sqrt{3}$
という風に整数をルートに変換すると計算がしやすくなります。
(この場合は3=$\sqrt{3}$ × $\sqrt{3}$に変換)
これは特に高校生で習う三角比や三角関数で使えます。
$\frac{2}{\sqrt{2}}$=$\sqrt{2}$ , $\frac{3}{\sqrt{3}}$=$\sqrt{3}$
という形で覚えておくと計算が早く楽にできます。
一問、一問でみるとコンマ何秒の違いかもしれませんが、今後何百回・何千回と計算していくとこの微々たる差が大きな差になってきます。
慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、是非使ってみてください。
まとめ
まだほかにもいろんな計算のテクニックはあります。使えそうだなと思えるテクニックはどんどん身に付けて「楽に」計算できるようにしていきましょう。